北海道頭痛セミナーのご挨拶
北海道頭痛セミナーの代表世話人を務めております北海道大学神経内科 矢部一郎です。永らく本セミナーの代表世話人を務められた北見公一先生の後任として2023年10月に引き継がせていただきました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
本セミナーは前身の北海道頭痛勉強会に端を発します。この勉強会は北見公一先生、藤木直人先生、田中千春先生を中心に組織され2001年に第一回の勉強会が開催されたとお聞きしています。その後、年に2回開催された年などもあり2018年の第28回まで回を重ねた後に諸般の事情により一度幕を閉じましたが、北見公一先生をはじめとした有志により2019年から北海道頭痛セミナーとして新たな船出を致しました。
北海道頭痛セミナーは、日本頭痛学会のバックアップを得て、北海道での頭痛医療の普及、医療者間の連携と最新頭痛医療情報発信を目的として、年1回の集会を継続して行ってきましたが、今後もこの方針を継続する予定です。
2023年現在、CGRP関連医薬が登場して数年が経ち、片頭痛診療におけるパラダイムシフトを経験致しました。片頭痛診療は大きく向上したと言えるでしょう。しかしながら、まだまだ多くのアンメットニーズが存在するのもまた事実です。例えば、迅速で適切な診断方法の開発、速やかな薬剤導入への障壁、医療経済学的問題、思春期患者への対応、めまいや消化器症状などの付帯症状への対応、片頭痛以外の頭痛性疾患の診断と治療など、あげればきりがありません。これらの課題を解決すべく、今後も英知を結集する必要がありますが、その中心的な役割を果たすのが頭痛専門医ということになろうかと思います。
しかしながら、2023年11月現在、北海道の頭痛専門医数は32名とまだ少数です。頭痛専門医のみで頭痛診療を担っているわけではありませんが、そうであったとしても、まだまだ十分な数ではありません。本セミナーが北海道の頭痛診療向上の一助となり、北海道の頭痛専門医数の増加に貢献し、さらにはその結果として頭痛診療の均てん化が進捗するのであれば大変嬉しく思います。
みなさまのご協力をどうぞよろしくお願い申し上げます。
2023年11月
北海道頭痛セミナー
代表世話人 矢部 一郎